屋上菜園について
一般的に屋上に菜園をつくる際は、300mm以上の土壌厚が必要と言われています。
屋上菜園は日当たりもよく地上よりも害虫の被害は少ないと言われていますが、防水層・耐根層保護層の設置、風対策などが必要になります。


屋上で菜園をつくる上でのポイント
- 防水層の保護
- 防水層露出仕上げの屋上でスコップの剣先を鋭く突き刺すような行為は、保水・排水・通気パネルを突き抜け、防水層や耐根層を傷つける懸念があるため、そのような行為は控え、必ずマットなどの保護層を設けるようにします。
- 土壌厚の確保
- 大きく3つに分けて根菜類、葉茎菜類、果葉類の3つがあり、それぞれ必要な土壌厚は変わりますが、土を耕す作業や植え替え作業も考慮して300mm以上の土壌厚を確保します。
- 土壌の飛散対策
- 収穫後のさら地状態の場合は、風で土壌が飛散し近隣へ迷惑がかからないよう、シートの活用や生垣を設置し風対策を行います。
- 土壌づくり
- 野菜は樹木や花などに比べて最も養分を必要とします。
人口軽量土壌は必要最低限の肥料分のみ添加されているものが多いため、菜園に適した培養土の採用、または人工軽量土壌にパーク堆肥等を20%以上混ぜる等の処置をして有機分を高めた土壌を使います。
屋上菜園の管理作業

灌水
屋上は地上よりも乾燥しやすい環境下であるため、灌水労力の低減に自動灌水装置の設置もおすすめしています。
灌水は、品種にあわせ、適正な頻度で適正量を行います。早朝または夕方の時間帯にまんべんなく行います。
過度な灌水や夏季に於ける日中の暑い時間帯の灌水は、蒸れの原因となり、生育上好ましくないため注意が必要です。
自動潅水装置は点滴式灌水ホースを埋設(または土壌上に敷設)するため、作業中に灌水ホースを誤って切らないよう注意が必要です。

除草
屋上菜園の設置後には種子が飛来し、雑草が生えてきます。雑草は発芽前や種子を落とす前、雑草が生えやすい梅雨、初夏〜秋頃に緑化等を点検し、根元から引き抜くように取り除きます。除草剤等の使用は原則不可としています。

肥料散布(施肥)
品種により異なりますが、培養土を採用する場合は、植付当初に施す基肥・元肥は基本的に不要となります。
生育過程に肥料を追加して施す追肥※については品種にあわせて行います。(液肥を与えた場合は除く)
※目安:30g/m2程度

間引き・土寄せ
品種により異なりますが、種子から育てる場合は、発芽後(本業が1~2枚展開した程度で)、株間をあけるため(適切な生育環境を維持するため)、生育の良い芽を残して間引きを行います。
間引きをした後は株元に土寄せを行い、株元の乾燥を防ぎます。

支柱立て・誘引作業
ナス科、ウリ科、マメ科の野菜などは、支柱を立て、倒伏(とうふく)防止のため生育に茎と支柱を麻紐で結ぶ作業(誘引:ゆういん)を行います。
屋上は風が強いため、100~150cm程度の高さを目安に仕立てます。

収穫
品種にあわせた適正な時期に収穫を行います。
収穫後もそのまま育て続けることができる品種(イチゴ、秋ナス、ハーブ類など)もありますが、収穫後は根元で枝葉をカットして、根鉢も全て取り除き、次の植え付けに備えます。屋上は風が強いため、土を休ませる期間や植え付けを行わない時期が長期に渡る場合、シートをかぶせて重しをする等の土壌飛散対策を行います。

排水ドレン廻り点検・清掃
排水ドレン廻りにゴミ等の堆積がないか点検します。そのまま放置すると排水不良を起こす懸念があるため、ゴミ等の堆積物が見られた場合は除去します。特に台風、低気圧通過などの強風・大雨の翌日以降早めに状況確認を行い、植物や土壌、周辺部材の飛散、倒壊がないかチェックを行います。また、緑化帯廻りが露出防止層の場合、防水層の表面に異常が見られた場合は管理会社又は防水施工業者までお問い合わせください。
芝生の維持管理スケジュール目安
種類 | 分類 | 土壌圧 | タネor苗 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 栽培のポイント |
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ミニトマト | ナス科 | 200mm 以上 |
苗 | 男爵、メークインは作りやすい。イモは種いもの上にできるので、植え付け時と芽かき後は株の根元に土寄せをする。 | ||||||||||||
キュウリ | ウリ科 | 苗 | 水をよく吸収するので、特に夏季は水をたっぷりと与える。 収穫期が30日〜40日と長い。 | |||||||||||||
イチゴ | バラ科 | 苗 | 株の根元にある生長点に土をかけないように植え付ける。 | |||||||||||||
ナス | ナス科 | 250mm 以上 |
苗 | 余計なワキ芽は取り除き、日当たりが良い場所で育てる。 | ||||||||||||
エダマメ | マメ科 | タネ | 早生種(そうせいしゅ)を選び、日当たりの良い場所で、水をたっぷりと与えて育てる。 | |||||||||||||
コカブ | アブラナ科 | タネ | 発芽までは土を乾燥させないよう、水を与える。 生育が早いため葉が込み合ったら早めに間引きをする。 | |||||||||||||
ジャガイモ | ナス科 | 300mm 以上 |
種いも | 男爵、メークインは作りやすい。イモは種いもの上にできるので、植え付け時と芽かき後は株の根元に土寄せをする。 | ||||||||||||
サツマイモ | ヒルガオ科 | 苗 | 高温、乾燥、強日射にも強いで、日当たりが良く、水はけの良い土で、水や肥料を控えめにして育てる。 | |||||||||||||
屋上緑化システム FD-LP、FD-LC(LCV)
- 屋上菜園は品種や生育状態、収穫時期や収穫量などが異なります。
- 作業時には、ルーフドレン廻りの点検、清掃、防水層(立上り部・表面)の点検も併せて実施します。
- 地域の気候や野菜苗の生育状況に応じて多少の変更があります。
- 生育当初は野菜苗に異常がないかこまめな点検をお願いします。
- 野菜苗の植え付け後は初期灌水をたっぷりと与えるようにしてください。
- 病害虫の対策につきましてはこちらをご参照ください。