メンテナンス

草花緑化・樹木(中低木)緑化について

中低木を含めた庭園型の緑化では、メンテンナンスの内容は多岐に渡り、より専門的な管理が必要です。
採用する樹木によってメンテンナンスの内容が変わります。支持根の生育に十分な土厚(目安:300mm程度以上)が必要になります。
草花の緑化では、ラベンダーやシバザクラなどの地被植物※(グランドカバープランツ)を剪定することで、土壌厚100~150mm程度の比較的薄い土壌による軽量な緑化が可能になります。

※地面を覆って地肌を隠すために植栽する植物

施工直後
6ヶ月後

草花・中低木の状態と対処のポイント

植物の選定
屋上庭園を作る前に、メンテンナンスにどの程度の時間やコストをかけられるか検討し、植物の種類を選定します。
植物配置の工夫
建物の外に葉や枝が落ちることは重大なトラブルにつながりかねません。中低木などはパラペット際から離して植えるよう計画します。また枝折れが起こらないよう病害虫を防ぐメンテンナンスも重要です。
自動灌水システムの必要性
植栽基盤の保水・排水・通気パネルにより少ない土壌厚でも保水力を補っていますが、地上よりも過酷な環境の屋上では降雨だけでは良好な生育は望めないため、自動灌水システムの設置は必須となります。

草花・樹木(中低木)の管理作業

灌水

屋上緑化では十分な土壌厚が取れないことが多く、また風などの影響で乾燥しがちな環境になることもあるため、自動灌水装置の設置は必須となります。灌水は早朝または夕方の時間帯にまんべんなく行います。過度な灌水や夏季に於ける日中の暑い時間帯の灌水は、蒸れの原因となり、生育上好ましくないため注意が必要です。

剪定

剪定は、育成管理※1、抑制管理※2、障害管理※3などの複数の側面から行われます。屋上緑化では「混み合った不要な枝を剪定し風通しを良くすることで病害虫の発生を防ぐ」ことが重要になります。
剪定の時期は、植物によって異なります。

※1 本来の美しい樹形を作り上げる

※2 発育が良く大きくなり過ぎることを防ぐ

※3 繁茂による日照や通風の問題を改善する

除草

屋上緑化の設置後には種子が飛来し、雑草が生えてきます。雑草は発芽前や種子を落とす前、雑草が生えやすい梅雨、初夏〜秋頃に緑化帯を点検し、根元から引き抜くように取り除きます。除草剤等の使用は原則不可としています。~8月は必ず除草を行います)

落葉

常緑樹・落葉樹ともに植物は古い葉を落として成長します。屋上緑化の場合は建物の外へ落葉や枯れ枝などが飛散することは、重大なトラブルに繋がります。
排水ドレン廻りに枯れ葉が溜まると排水阻害となるため、定期的な点検やパラペット際には落葉樹は植えないなど対策が必要です。

肥料散布(施肥)

草花・中低木緑化では、自然地のように落ち葉などが腐って腐葉土となり樹木生育の養分となるというサイクルは望めないため、年1~3回程度の施肥(追肥)※1を行います。草花緑化では、年1~2回程度、春または秋頃に化成肥料※2を与えます。(真夏や真冬の施肥は控えます) 水に溶けた要素を植物が吸収するため、施肥後は灌水を行います。(液肥を与えた場合は除く)

※1 目安:30~40g/m2程度(4, 6, 8月)

※2 目安:20~30g/m2程度(4, 12月は状況により実施)

・施肥を行うと雑草が多く見られる場合があります。早めの除草をおすすめします。

・近隣の迷惑になりそうな地区では、油かす、骨粉、鶏糞などの有機質肥料は控えます。

排水ドレン廻り点検・清掃

排水ドレン廻りにゴミ等の堆積がないか点検します。そのまま放置すると排水不良を起こす懸念があるため、ゴミ等の堆積物が見られた場合は除去します。特に台風、低気圧通過などの強風・大雨の翌日以降早めに状況確認を行い、植物や土壌、周辺部材の飛散、倒壊がないかチェックを行います。また、緑化帯廻りが露出防止層の場合、防水層の表面に異常が見られた場合は管理会社又は防水施工業者までお問い合わせください。

土壌厚管理

風の方向によっては屋根に大きな風力がかかり土壌が飛散することがあります。
土壌やマルチングの減少は植物の生育不足と繋がるため、必要に応じて土壌やマルチングを補充することが必要です。

草花・樹木(中低木)の維持管理スケジュール目安

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
点検・清掃 点検・
清掃
点検・
清掃
点検・
清掃
点検・
清掃
点検・清掃(1回/1月以上)
刈り込み 状況に
より実施
状況に
より実施
剪定 生育に応じて剪定する(1~2回/年)
除草 除草 除草 除草 除草
状況により実施 必要に応じて実施
施肥 約20~
30g/㎡
状況に
より実施
約30~
40g/㎡
約30~
40g/㎡
約30~
40g/㎡
灌水目安 週3回程度
1時間
週5~7回程度
1時間
週3回程度
1時間
週1回程度 1時間
(乾燥した日が続いた場合)
週3回
1時間
病気・害虫 病害虫が見られたら、必要に応じて薬剤散布
その他作業 必要に応じて枯葉・花がら摘みなど/土壌、マルチングの著しい減少が見られた場合は、状況に応じて補充

屋上緑化システム FD-LP、FD-LC(LCV)、FD-LE・GL(GH)、FD-U・G

  • 草花・樹木(中低木)の種類や本数によって異なります。
  • 作業時には、ルーフドレン廻りの点検、清掃、防水層(立上り部・表面)の点検も併せて実施します。
  • 地域の気候や植物の生育状況に応じて多少の変更があります。
  • 生育当初は植栽に異常がないかこまめな点検をお願いします。
  • 植物の植え付け後は初期灌水をたっぷりと与えるようにしてください。
  • 病害虫の対策につきましてはこちらをご参照ください。

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